有川 裕俊

長 新太さんをいたむ

今年六月二十五日、絵本作家の長新太さんが亡くなられました。 享年七十七歳。旺盛な創作活動が続いていただけに、じつに惜しまれる逝去です。 長さんは、絵本に新しい世界をもたらした作家です。 長さん以前と長さん以後では絵本の世界は一変したと言って...

小言勘兵衛襲名披露

日本の大人は小言を言いたがる傾向にある。 外国のことに詳しいわけではないがそんな気がする。 大人としてのつまらないプライドか、目下のものに接するのに、小言、あるいは小言の変形である威丈高以外の方法を知らないかの如くだ。 学校でも会社でも、先...

面白いは頼りになる

今、まさに情報化社会。 ITだネットワークだと、世界中を情報が飛びかって、情報、情報と何かと騒がしい。 しかし勘違いをしてはいけません。 子供にとって最大の情報源は昔も今も人です。 とりわけ大人。 テレビやコンピューターではない。子供はまわ...

モーツァルトの記憶力

世間一般が言うあたまのいいは偏差値の高さをいっている。 多くの日本人は「あの人は偏差値の高い大学に入ったからあたまがいい。 エリートだ」とおもっている。 マスコミも例外ではない。 オウムの報道を思い出してみるといい。 東大や慶応の医学部を出...

流れる雲のように

世界的にみれば物質的には豊かになったのに心のほうはすこしも豊かになったような気になれない。 社会が豊かになればなるほど便利になればなるほど比較級数的に幸せにちかづくと信じてきたのに。 反対に物質的な豊かさをえてなにかを失ったという実感はまち...