- 戸田:
- 有川さん、今日もよろしくお願いいたします。
- 有川:
- よろしくお願いします。
- 戸田:
- 今日はどんなお話ですか。
- 有川:
- 先日もお話したように、7月27日が創立40周年でした。
- 戸田:
- おめでとうございます。
- 有川:
- ありがとうございます。40年よくもちました(笑)。
それで、五味太郎さんとtupera tuperaさんがお祝いをしてくださると言うんです。 - 戸田:
- ええ。
- 有川:
- ありがたいのは重々承知しているんですが、僕はその種のお祝いというのが苦手なんです。
- 戸田:
- (笑)。
- 有川:
- 僕は、人前で褒められるということに慣れていないからか、自分が主役になると身の置き場がなくなる。気が小さいんでしょう。
- 戸田:
- そうなんですか。
- 有川:
- 面と向かって褒められることが、こっぱずかしいんですね。面と向かって褒められても平気な人と恥ずかしくなる人がいるでしょう。たとえば、女の人に「好きです」と言える男、なかなか言えない男に分かれますね。
- 戸田:
- ええ(笑)。
- 有川:
- 僕のようなおっちょこちょいは「好きです」と言って、すぐふられる。ところが、めったにないことですが、まれに「好きです」と言われたりすると、どうもいけません。逃げ腰になってしまうんです(笑)。
こんな調子でやってきたんですが、この人生は何だったんだろうと70歳を目の前にしていろいろ考えさせられます(笑)。
老人といえば、子どもと老人に共通していることがあります。 - 戸田:
- なんでしょう。
- 有川:
- その日暮らし。老人と子どもの基本は、その日暮らしです。ただ、老人には未来がないけど、子どもには未来がある。この点が大きく違います(笑)。
- 戸田:
- (笑)。
- 有川:
- ところが今の子どもは、その日暮らしではなくなっている。なにしろアポイントをとって友だちに会いに行ったりするでしょう。サラリーマンじゃあるまいし。今は、子どものその日暮らしの時間が短くなったということは、子どもからすぐ大人になってしまうということで、実にかわいそうなことです。
年寄りと子どもといえば、とてもうれしい手紙をもらったんです。デイサービスや保育園に、月一回紙芝居や絵本などを持って訪問している女性からです。
少し長くなりますが、読みます。
紙芝居や絵本をみてくださる人生の先輩方や小さなお友達にも、声を出したり参加してほしいと思い、途中、指遊びやなぞなぞ遊びで気分転換。楽しいなぞなぞの本はないかと探していたのですが、なかなか出会えず、いつも2〜3種類の本を工夫して使ってきました。
でも出会えたのです。とっても楽しい絵本『なぞなぞはじまるよ』に!
思っていた通り、デイサービスでも保育園でも、絵をみながら考えることのできるなぞなぞの本ということで、どちらでも大うけです。デイサービスのスタッフや保育園の先生方もまきこんで、本当にみんな身を乗り出して、いい顔で大騒ぎです。どちらかというと大人のほうが頭が固く『これは小さい人たちには無理かな』と思う問いにも、子どもはとってもするどく答えます。びっくりです。
- 戸田:
- それ、わかります!あの絵本、おもしろいですもの。
- 有川:
- それで、「ぜひぜひ続きがほしくて、お手紙を書いています。人生の先輩や小さな友達みんなの、あの生き生きとした笑顔に出会いたいのです」という手紙だったんです。
それにしても、この絵本の一番の勘どころを押さえていらっしゃるのがすごい。「絵をみながら考えることのできるなぞなぞの本」というところです。そこを指摘してくださり、実にうれしいですね。 - 戸田:
- まさに待ちに待った『なぞなぞはじまるよ』の第2弾が出ますよね!
- 有川:
- そうなんです。その方に連絡したら、とても喜んでくださっていました。
日本人に足りないのはトンチ力ではないかと思っています。それが欠けてしまったので、一番大事な直感やひらめきまでもがなくなり、あんな戦争や放射能の垂れ流しなど、とんでもないことをひき起こしてしまったんだと思います。
知識も大切ですが、それよりもっと大切なのがユーモアや愛嬌、心の余裕です。これから大人になる子どもたちに大事なのは「IQより愛嬌だ」と言ってあげたいですね。 - 戸田:
- 有川さん、それは生きる力ですね。愛嬌は大事!
- 有川:
- なによりも柔らかく生きる。「IQより愛嬌だ」いい標語でしょう。学校でも会社でも、もちろん家庭でも大事なのはIQより愛嬌です。実生活にどれだけ役立つかわかりません。
- 戸田:
- 今日も楽しいお話をありがとうございました。また来月もよろしくお願いします。
- 有川:
- はい、どうぞよろしく。
- 戸田:
- 絵本館代表の有川裕俊さんにお話をお伺いしました。
有川さんのお話にもありましたが、『なぞなぞはじまるよ2』が出ました。待ちに待ったという方、たくさんいらっしゃると思います。
なぞなぞの文はおおなり修司さん、楽しい絵は高畠純さん。お二人のメッセージをご紹介しましょう。まずは、おおなり修司さんです。
前作『なぞなぞはじまるよ』が、まさかこのように好評をいただけるとは…(涙)。
『なぞなぞはじまるよ2』でも、みなさんのご期待にこたえるべくバカバカしくも楽しいなぞなぞを全力で考えラインナップしました!
もちろん今回も、高畠さんのユーモア溢れる絵とヒントが満載です!!一人でも親子でもご家族でも、笑顔で楽しんで頂けたら嬉しいです。
- そして、高畠純さんです。
おもしろ楽しいなぞなぞの絵本が、また出ました。
さあ、こんどのなぞなぞにも挑戦してみてください。
なぞなぞの絵には、やはりヒントがかくされていますよ。
なぞなぞ文を受け取ったとき、さあ、どんな絵にしようかと考えるのもとてもおもしろい作業でした。
問いと答え、ぜひぜひ味わってください。
- とお二人からのメッセージです。
絵本館からの新刊『なぞなぞはじまるよ2』
ぜひチェックしてみてください。
(2018.9.11 放送)
2016年4月からエフエムふくやま「ブック・アンソロジー」に月1回、第2火曜日に出演しております。
インタビュアーは、パーソナリティの戸田雅恵さん。
番組の内容を定期的に掲載しています。なお、ラジオインタビューですので、その時はじめて聴く人もいます。同じような話が2度3度出てくることがあります。ご了承ください。
インタビュアーは、パーソナリティの戸田雅恵さん。
番組の内容を定期的に掲載しています。なお、ラジオインタビューですので、その時はじめて聴く人もいます。同じような話が2度3度出てくることがあります。ご了承ください。
https://ehonkan.co.jp/ehon/351/
なぞなぞはじまるよ 2
なぞなぞの面白さと、絵本の楽しさをまた合体。待望の第二弾!