絵本をえらぶのはむずかしいと言われますが。
そう、わかるね。
 僕も娘が生まれて、隣に住んでる女房の母親が絵本を買ってきてくれたんだ。
 しかし、あまりピンとこなくて。
 そうそう、その時は絵本の仕事、まだやっていなかったので1冊も絵本を読んだことなかった。
 じゃあ、自分で買ってみようと新宿の小田急デパートのなかにある三省堂へ行ったのはいいんだけど、どれを選んでいいのか、さっぱり整理がつかなくなってしまった。
 1才の子どもの好みをどう理解していいのか分からなくなってしまって、2時間以上、絵本売場にいたと思う。
 僕は毎日、帰りが遅い。
 娘といつも一緒にいる母親のことなら、よく分かっているだろうと想像して題に「おかあさん」が付いている絵本を探そうと決めた。
 そしたら範囲がせまくなって選ぶのがらくになった。
 色彩が素晴らしかったので、まじませつこさんの「ママ だいすき」(福音館)を買って帰ったけど、いやあ「もう、絵本は、こりごりだ」と思ったね。
 今になれば、子どものキャパシティは大きいのだから、親が気に入った絵本を買えばいい。
 実はすごく簡単なことだったのに。
 迷って投げ出したというわけです。
 迷いとは簡単なことを複雑に考えた結果おこることだそうです。
 はじめて子どもをもった父親も母親も絵本えらびにおおいに迷うと思う。
 しかし、親が気に入った絵本を買えばいい。
 簡単でしょう。



