- 戸田:
- 有川さん、今日もよろしくお願いいたします。
- 有川:
- こちらこそ、よろしくお願いします。
- 戸田:
- 「こんな絵本作家と出会いました第6弾」前回は、福山出身のおおなり修司さんでしたが、今日もどなたかご紹介いただけますか。
- 有川:
- 今日はtuepra tuperaさん 、ご夫婦です。どっちがtuperaで、どっちがtuperaかよくわからないんですが(笑)。
- 戸田:
- (笑)。tupera tuperaさんの『パンダ銭湯』、すごくおもしろいですよね。
- 有川:
- おもしろいですね。ブロンズ新社の『しろくまのパンツ』など、おもしろい絵本がたくさんあります。今、絵本界の大ヒットメーカーと言えるでしょう。
常に新しいことをするお二人なので、あまり多作ではありません。年に4、5冊くらいでしょうか。この4月に絵本館から新刊『こわめっこしましょ』が出ます。「にらめっこしましょ。笑ったら負けよ」という遊びがあるでしょう。 - 戸田:
- ええ。
- 有川:
- その反対で、「こわめっこしましょ。泣いたら負けよ」。この絵本、本当にこわい(笑)。
- 戸田:
- (笑)。
- 有川:
- 最初は「かわいい絵本かな」と思って開くと、実はすごくこわい。絵本は絵の力を使えますから、かわいいもこわいもどちらも自在にあやつれます。
- 戸田:
- 絵本で「とてもこわい」というのが、すごいですね。
- 有川:
- 昔の子どもは「そんなことをすると地獄へいくぞ」などと言われて、おどかされて育ったでしょう。夜の暗闇自体もこわかった。だから世の中になにか怖いものがあるというのは、人が育っていく過程では悪くないんじゃないでしょうか。
- 戸田:
- 「こわいもの見たさ」というのも、ありますしね。
- 有川:
- ええ、それもありますね。だから何かちょっとこわいものがあるというのは、捨てがたいことだと思います。
- 戸田:
- ええ。
- 有川:
- 『こわめっこしましょ』は『パンダ銭湯』から4年ぶりくらいになります。
絵本館は、作家のほうから「面白いのが描けた」と言ってくださるまで、ずっと待っているんです。「耐える女」ですよ。男ですが(笑)。 - 戸田:
- (笑)。
- 有川:
- 今、三重県立美術館でtupera tuperaさんの大きな展覧会が開催中[注]です。福山からちょっと遠いんですが、とても見応えがあります。僕は、この間行ってきました。ただ原画が並ぶ展覧会ではなく、要所要所に工夫がこらされていて見応え満載です。『パンダ銭湯』の部屋もあります。それにまあ、とにかく二人の仲がいいんです。あんな目つきで夫をみる妻というのは、今まで見たことがありません。
- 戸田:
- どんな目つきなんですか(笑)。
- 有川:
- とても愛らしい表情です(笑)。その様子を見ていると、こちらまで幸せな微笑ましい気持ちになります。
- 戸田:
- そんなお二人なら、素敵な絵本が出来上がるはずですねえ。
- 有川:
- とにかく色彩感覚がとてもいい。そして何よりも、一作一作今までないものにチャレンジするという精神が素晴らしいです。
- 戸田:
- そうですね。
tupera tuperaさんの新刊が絵本館からまもなく刊行されるということですね。楽しみに待っております。 - 有川:
- はい、どうぞよろしく。
- 戸田:
- 有川さん、今日もありがとうございました。
- 有川:
- こちらこそありがとうございました。失礼します。
- 戸田:
- 絵本館代表の有川裕俊さんにお話をお伺いしました。
絵本館の新刊をひとつご紹介します。
北村人さんの『おひさまでたよ』
ほのぼのファーストブックです。
あたたかなひざし いいきもち
ぽかぽか ふぁ〜あ いいきもち
シンプルな線画で描かれた動物たちの表情にゆったりとリラックスできる、とても素敵な絵本です。
北村人さんはいろんな挿画も手がけられていて、星野源さんのエッセイ集『そして生活はつづく』の絵も描かれているんですね。
北村人さんの『おひさまでたよ』、絵本館HPでチェックしてみてください。
(2018.4.10 放送)
[注]この回が放送された日は、三重県立美術館で「ぼくとわたしとみんなのtupera tupera 絵本の世界展」が開催中でした。2018年3月17日(土)~6月10日(日)
2016年4月からエフエムふくやま「ブック・アンソロジー」に月1回、第2火曜日に出演しております。
インタビュアーは、パーソナリティの戸田雅恵さん。
番組の内容を定期的に掲載しています。なお、ラジオインタビューですので、その時はじめて聴く人もいます。同じような話が2度3度出てくることがあります。ご了承ください。
インタビュアーは、パーソナリティの戸田雅恵さん。
番組の内容を定期的に掲載しています。なお、ラジオインタビューですので、その時はじめて聴く人もいます。同じような話が2度3度出てくることがあります。ご了承ください。
こわめっこしましょ
tupera tupera・作"にらめっこ"じゃなくて"こわめっこ"??
パンダ銭湯
tupera tupera・作いま、明かされる「パンダのひみつ」
おひさまでたよ
北村人・作ほのぼのファーストブック!