わからない絵本がいい!

説明の多い絵本というのも気になりますが。

文章があって、さし絵がある本が「子どもの本」と考えられていた時代があった。
モノクロのさし絵どころか、カラーのイラストがついていればただただ豪華。
そのなごりなのか、文章を絵で説明している絵本があります。
多くの絵本はこれです。
「一寸法師が都へのぼる」。
この都が分からないから絵で都を見せる。
これを説明絵本といいます。
過ぎたる親切、過ぎたるていねいはものわかりのいい人間、ものを考えない人間をつくってしまいはしないかと思いますね。
文章があって絵がある。
「それなのによく分かんない!」というのが絵本にとっては興味津々の扉じゃないかな。
この扉のむこうには、まだ見たこともない輝かしいものがある世界。
そんな気がする。
文章があって絵があるのに分からない。
長新太さんの「ぼうし」(文化出版局)は、いろいろな動物達がつぎつぎとぼうしをかぶっていく。
最後にさるが2匹でひとつのぼうしをかぶって「ちょうどいい」。
どうしてちょうどいいか分からない。
人間の社会では、よく分からないことが山のようにあるわけだけど絵本のなかで人間の精神が鍛えられるとするならば、「分からないこともたのしめる」。
そんなことが子どもたちの精神、頭を鍛えてくれるのだと思うのです。

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