講談本が子守唄

小さいときから本が好きでしたか?

小さい頃は病気になったときぐらいしか本読まなかったんじゃないかな。
風邪ひいて学校を休んだときなど昼過ぎると元気になってしまっても、「まだ、寝てなさい」なんて言われて、そんなとき本を読んでましたね。
小学2年のときに鹿児島市から東京の大田区へ、翌年練馬区へ引越しをしたのですが、どちらの学校にも図書室があって、ことに練馬区の学校には立派な図書室があった。
鹿児島の小学校で図書館の記憶がないところをみると、本など目じゃなく外で遊んでばっかりだったんだね。
引越した当初、石神井西小学校の図書室によく行ったのは友だちがまだいないからだと思う。
その図書館でことに気に入っていたのが日本の歴史の本だった。
歴史の本を読むようになったきっかけは、母の趣味で毎週のように見にいっていた映画、それも時代劇。
それと幼稚園から小学校へあがるくらいまで、母が講談本を読んで寝かしつけてくれたからでしょうね。
岩見重太郎、荒木又右衛門とか源義経とかの講談本をよく読んでくれた。
だから僕のなかで、荒木又右衛門とか岩見重太郎はすごく親しい名前でしたね。
そんな下地があって歴史が好きになり、歴史の本をよく読むようになったんだと思う。
昼寝のとき義経の本を読みながら、お袋のほうが先に寝てしまったことがあってね、すやすやと眠るお袋の背中を見ていたら義経の死と重なって、「ああ、人間は死ぬんだ。
いつかお袋も死ぬときがあるんだ」と思ったら身がこわばってしまった。
お袋と別れなければならないときが来るのかと思っただけで、空恐ろしい感じがした。戦慄してしまったね。
その時のことは、強烈に覚えていてる。死を意識した最初だと思う。
あまりに強烈な印象で、お袋の隣で横になっている自分の姿まで、2〜3メートル上から見ているように覚えている。
本当は見えるわけないんだけどね。

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