第41回「やっぱりIQより愛嬌だ」

戸田:

有川さん、今日もよろしくお願いいたします。

有川:

こちらこそ、よろしくお願いします。

戸田:

今日はどんなお話ですか。

有川:

戸田さんは「日常、これを信条にしている」というようなことはありますか。

戸田:

そうですねえ、できればこうありたいというのは「時間を大切にして暮らしていきたい」と、いつも思っています。そんな感じでしょうか。

有川:

僕は前にも言いましたが「IQより愛嬌だ」です(笑)。

戸田:

(笑)。

有川:

愛嬌というか、歳とともに、愛おしく思えるものを見ると自然に微笑みがこぼれる。そんなことが一番うれしいですね。

戸田:

そうですね。

有川:

僕より12歳上の義兄がいます。2年ほど前に奥さんを亡くしたあと、妻に「犬を飼いたい。でも、80歳を過ぎているのであとが心配になる。いざとなったら犬の面倒をみてくれないか」と言ったので、我が家で面倒をみる約束をしたんです。

戸田:

ええ。

有川:

義兄は一人暮らしですが、料理、音楽、写真、絵と多趣味で元々元気だったんですが、犬と一緒に暮らすことになり、より生き生きと元気になりました。

戸田:

わかります。

有川:

先日、新聞を読んでいたら、80歳の女性が猫を亡くしたが、どうしてもまた飼いたい。しかし、年齢のことがあるので飼えないと思っていた。ところが、そういった高齢の方が困った時に「いざとなったら自分たちが引き受けます」というボランティアがあるんだそうです。

戸田:

まあ、それはいいですねえ。

有川:

世の中のためになる、すばらしいボランティアだと思いました。
高齢者も愛おしい動物といっしょにゆったりとした気持ちで暮らす。そんな生活ができるといいですね。

戸田:

本当にそう思います。ワンちゃんって、やっぱりいやしてくれますもの。

有川:

そうですよね、孫より可愛いくらいです(笑)。いや、少し見栄をはりすぎたかな、孫ももちろん可愛いですよ(笑)。犬や孫だけでなく、植物も大きな力をもっていると思います。この前、テレビでミニトマトを水耕栽培で育てている人をみたんです。1つの株からすごい量のミニトマトがとれるんです。女性の方でしたが「育っていくトマトをみているだけで、毎日うれしくなるし幸せな気持ちにもなる」と言っていました。とてもすてきな笑顔でした。
なににつけ可愛くて仕方ない存在があるということは、幸せなことです。

戸田:

そうですね。

有川:

今日は絵本の話とは関係なかったんですけれど、みなさんもお子さんやお孫さんを「IQではなく、愛嬌だからね」という思いでみてくださったら、いいですね。大きなお世話かもしれませんが。

戸田:

ええ、たしかに。愛嬌って大事ですよね。私も小さい頃に「女の子は愛嬌だ」って、よく言われていました。

有川:

男もそうですよ。

戸田:

そうですか。

有川:

ええ、これからは男も愛嬌。いや、これからではなくて、実は昔から男も愛嬌です。妻が昔勤めていた会社の社長が、ほんとにいい顔で笑うんです。「この笑顔でどれほど得をしたかしれないな」と思いました。
あの愛すべき笑顔は彼の人生にとって、はかりしれないものがあったと思います。
損得勘定で愛嬌をふりまくのは見苦しいものですが、家庭でも学校でも社会でも、愛嬌があるほうが自分にとって有益なだけではありません。結果的には周りの人たちも明るく幸せにするんですから言うことなしでしょう。

戸田:

(笑)。

有川:

偏差値などは「過去に習ったことをどれだけ覚えているか」というもので、過去に向かっている。

戸田:

ほんとですね。

有川:

未来に向かうのであれば、どちらかというとトンチ力のほうが有効です。以前、アメリカの有名なソフトウエア会社の入社試験の問題をみたことがあるんです。求められているのはトンチ力でした。

戸田:

そうなんですか。

有川:

「どれだけ覚えているか」ということになると、コンピューターに敵うわけがありません。採用に関する考え方が、昔に比べると決定的に違っているんです。いろいろ取り混ざっているものを取捨選択しながら組み立てて次の展望を示す。そういう能力が今は求められているんだと思います。

戸田:

なるほど。

有川:

そうなると、間違いなくトンチ力とか、機転が利くか否かです。

戸田:

私も「これからはIQより愛嬌で」と、孫たちに伝えたいと思います。

有川:

我々もおじいちゃん、おばあちゃんになっているんですから愛嬌でいくのがいいですよ。苦虫を噛みつぶしたような顔というか、そんな雰囲気のジイさんより、いつもニコやかな様子でいたいものです。これは、そうありたいという願望でもあります(笑)。
絵本のなかにもユーモラスで愛嬌いっぱいの絵本がたくさんあります。絵本館の絵本はユーモアの宝庫だと思います。子どもたちといっしょにたのしんでください。

戸田:

そうですね!

有川さん、今日もありがとうございました。また来月も
よろしくお願いいたします。

有川:

はい。こちらこそよろしくお願いします。

戸田:

絵本館代表の有川裕俊さんにお話をお伺いしました。
さて、絵本館からの新刊をご紹介させていただきます。
佐々木マキさんの人気シリーズ『ぶたのたね』、シリーズ最新作が出ました。タイトルは『あやしいぶたのたね』。

あやしいぶたのたね

きつねはかせがくれたのは「ぶたのたね」のはずだったのに!
はしるのがとってもおそいおおかみ4度目の登場。こんどこそおおかみは、ぶたのまるやきをたべることができるのか?
絵本館『ぶたのたね』発売から30年!10年ぶりのシリーズ最新作です。
佐々木マキさんからのメッセージをご紹介します。

私はこのダメおおかみがすきです。
なんとかしてやりたいのですけど、今回もダメでした。
20年くらい前のアイデア帳に「おおかみのたね・ぶたのたね」とメモしてあったのが、この絵本の「たね」になりました。
佐々木マキ

ぜひみなさん、佐々木マキさんの『あやしいぶたのたね』親子でたのしんでください。
(2019.9.10 放送)
2016年4月からエフエムふくやま「ブック・アンソロジー」に月1回、第2火曜日に出演しております。
インタビュアーは、パーソナリティの戸田雅恵さん。
番組の内容を定期的に掲載していきます。なお、ラジオインタビューですので、その時はじめて聴く人もいます。同じような話が2度3度出てくることがあります。ご了承ください。
あやしい ぶたのたね
佐々木マキ・作 きつねはかせがくれたのは「ぶたのたね」のはずだったのに!?
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