べつに、宣伝するわけなんですが(爆笑)、鎌倉・由比ヶ浜通りに絵本の店『SONG BOOK Café』を出しました(拍手)。
コーヒー飲みながら、絵本が読めるお店。
壁には、いっしょに仕事をした絵本作家さんの額絵が、並んでて、そんなん見ながらのコーヒーが、また格別。
みんなの絵は、直接ぼくがたのみました。
手紙書いて、電話して、一人ひとりお願いしたの。
そうやって集まってきた絵が並んでる。
ただ、そこに長さんの絵がない。
お願いしながら、ぼくは思ったのね。
「ああ、長さんには、たのめないんだ」って。
初めてやってきた亡くなられたことの「実感」だった。
店には『ないた』(金の星社)で、長さんがツカ見本に直接描いたラフ絵を飾ってあるんだけどね。
「作品」はない。
オープニングの時「鈴木フミ」さんの名で、お花が届いた。
名前の隣に「長新太 内」とあった。
奥様だった。
格別に美しいお花だった。
もう長さんはいない。
ちゃんとやんなきゃね。
中川ひろたかさんが選ぶ 長新太さんの絵本3冊
- 1.『うみ』(岸田衿子・文)ひかりのくに♦1992年
- 保育園1歳児クラスの担任の時、子どもたちに毎日読んでた本。
1歳半になったひろくんの初めての言葉は「あら、あら」だった。明らかに、この本の影響。
この『あかちゃんのえほん』シリーズすべて、長さんの絵が先なんだって。長さん、言ってた。
なにやってんだ、ひかりのくに!早く復刊してくれよ。 - 2.『トリとボク』講談社 / あかね書房♦1985年
- この池を知っている。長さんのお宅のそば。きっとそう。
彼女が、近くに住んでいて、この池で、カモがまるく円になって寝ているのを、いっしょに見た。長さんのことを知る前のこと。
それって、あの池でしょ?って長さんにハガキした。
その返事はなかったけどね。きっとそう。
なにやってんだ、あかね書房!早く復刊してくれよ。 - 3.『わりとけっこう』(中川ひろたか・文)絵本館♦1997年
- はじめて長さんが、引き受けてくれた絵本。
こんな文でも、こんなすばらしい絵本になるという生きた見本。
文は、ぼくだが、ストーリーは、長さんだ。
えらいぞ、絵本館!よく出版してくれた。