高畠純さんとの出会いについて教えてください。
絵本館をスタートさせる前、とにかく絵本作家の人に次々と会いに行っていた。
尾崎真吾さんが、銀座の松坂屋で「ぽけっとの会」の原画展があると教えてくれて観に行ったんだ。
そこに高畠さんの絵があってね、「いい絵だな」と思った。
そこで会ったのが最初の出会い。
画家の熊谷守一さんの絵を思い出すというか、そんな印象をもったと言ったら喜んでくれました。
偶然だけど熊谷さんは岐阜の出身で、高畠さんも岐阜の在住。
そのあと25年のつきあいで高畠さんが怒ったことは一度も見たことがない。
あるとき「高畠さん、おこったことあるの?」と聞いたら、しばらく考えて、笑いながら「ないかな」って。
そんな人です。
高畠さんと僕は同い年だから、二人とも29才のときだね。
その場で絵本を描いてほしいと依頼したんだ。
それで出版したのが『ピースランド』。
高畠さんの文、絵としては処女作です。
そこでシルクスクリーンを売っていて、3000円のペンギンのシルクスクリーンを1000円にしてくれたんだけど、A2くらいのサイズがあるんだよ。
すっきりした線、のびのびとした造形。
高畠さんの特徴だね。
今も、とても大事にしてるんだ。