長新太について長新太すると、いつもぼくは限りなく長新太ですから、ときどき長新太の長新太を傍らにおいて、長新太するときにも長新太でなくてはならぬわけで、ようするに長新太へ極力長新太するためには、長新太も長新太も、そして長新太も、すべて長新太とするわけです。
ある時はほんわりのどか、ある時はいきなり心臓をひと突きされるようにショッキングな長さんの絵。
変幻自在ユーズームゲ。
一見こどもの落書きめいていながら、ユーモア、ナンセンスに加えて凄みさえある長さんの世界に心奪われて生きて来ました。
長さんのエッセイ・文が好きだ。
絵本ももちろんだ。
色のつかない絵もね。線もね。
長さんは、動物園、水族館が好きだ。
よく書いていて描いているしね。
大型蛇腹絵本に一面の水族館の絵本もあるね。
長さんのことを思い出すと、お空にぽっかり人間の脳が浮かんでくる。
人間の脳には、動物的な古い脳と、知的な仕事をする新しい脳があるらしい。
そして赤ちゃんの無邪気な笑いは、この古い脳の動きなんだそうだ。
なるほど、そういえば知的に笑う赤ちゃんなんて不気味である。
べつに、宣伝するわけなんですが(爆笑)、鎌倉・由比ヶ浜通りに絵本の店『SONG BOOK Café』を出しました(拍手)。
コーヒー飲みながら、絵本が読めるお店。
壁には、いっしょに仕事をした絵本作家さんの額絵が、並んでて、そんなん見ながらのコーヒーが、また格別。
私がまだ新米のイラストレーターで、ウロウロしていた頃、話の特集や詩の本や、いろいろな場所で、長さんは大きな大きな、それこそどんどんふくらんでいくゴムまりの様な存在で、コマ漫画を見てはびっくりし、絵本を見てはため息をついたのだった。
もう、長さんを追いかけて行くんだ!どこまでも、と。私は決心したのだった。
ぼくは、絵本より先に長さんとは、マンガで出会った。
小学生のとき友達の家で見た雑誌に、直線を多用して、人物の手足がマッチ棒のようなスタイルのマンガが載っていて、長 新太という名はそのとき憶えました。
絵描きとしての長さんをこの上なく尊敬しています。
もちろんナンセンスと言われるお話しも好きですが、それもあの長さんの絵がなければとても成立しません。
長さん以外に誰があのような絵を描けましょう。
みずみずしく、美しく、自由で、思うままに、力強いのにとても上品で。
何といっても長 新太さんの絵の魅力である。
あんなにノビノビして、でも乱暴でなく、まったくホレボレしてしまう。
学生の頃、初めて長 新太さんの絵本を買ったのは『ぴかくんめをまわす』だった。
長 新太さんの絵に魅かれて買った。
大胆な構図とやけに細かい絵、それに遊び心の神経。
その絵本の中に出てくる車はフォルクスワーゲン(昔のかぶと虫型)、シトローエン、それに白バイ、バスなど。
今年六月二十五日、絵本作家の長新太さんが亡くなられました。
享年七十七歳。旺盛な創作活動が続いていただけに、じつに惜しまれる逝去です。
長さんは、絵本に新しい世界をもたらした作家です。
長さん以前と長さん以後では絵本の世界は一変したと言っていいと思います。
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