五味太郎「長新太に長新太なのです。」

追悼 長新太

五味太郎長新太について長新太すると、いつもぼくは限りなく長新太ですから、ときどき長新太の長新太を傍らにおいて、長新太するときにも長新太でなくてはならぬわけで、ようするに長新太へ極力長新太するためには、長新太も長新太も、そして長新太も、すべて長新太とするわけです。

しかしこの長新太で長新太なのはあくまで長新太なのですから、長新太だけの長新太ではあり得ぬはずで、長新太的長新太をさらにドライブかける長新太の長新太を夢みたり、あるいは長新太は長新太なのであるという長新太をあらためて長新太することで、また長新太な長新太を確認したりするわけです。
一方、長新太から長新太に至る長新太をはからずも長新太しているわけですから、次なる長新太をおおいに長新太できる長新太に長新太したりします。
長新太の長新太による長新太であることは、大いなる長新太です。

五味太郎さんが選ぶ 長新太さんの絵本

『びっくり、しゃっくりくしゃみにおなら』福音館書店♦1986年

はじめてぼくを長新太した、ぼくにとって記念すべき長新太。

写真・寺崎誠三