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絵本の文字量と年齢は、関係ありますか

pen-book.gif「この本は文字が少ないから、うちの子にはものたりないわ。もっと文字が多いほうがいいんだけれど。」
「これは文字が多いから、まだ無理だわ」

このような「絵本の文字量と年齢は、関係ありますか」というご質問がよくあります。
はっきりいって関係ありません。
もし文字量と年齢が比例するなら百歳の方は、ものすごく長い文章ということになります。
また詩のように表現された一行のものは、どうなるか。生まれたばかりのあかちゃん向きということになるのでしょうか。(もちろん、これは冗談です)
そもそもおかしいのです。この質問自体。
これは、絵本を「さし絵のある本」と考えた場合の質問なのです。子どもが読書経験をつんでいく時に、まず少ない文章でさし絵が多いものから始め、だんだんと長い文章と少ないさし絵のものに、最後には文章だけのものに移行していく・・という考え方によるものです。
ですから、お答えするのは「さし絵のある本」ではなく絵本についてです。
なにしろ絵本の絵はさし絵ではありません。
私たちが目指している文もある絵もあるのに自然と想像力が動き出す、そんな絵本についてお話しします。

わかりやすい例をあげましょう。
ここにクマが歩いている絵がある。
そして文は「クマさんがあるいています」です。
つまらないでしょう。
なぜつまらないか、そのままだからです。

ページを開いたらクマが描いてある。
読者は「あー、クマだ」と思う。あるいはつぶやく。
それなのに「クマさんが...」ではクドい。
読者の頭は鈍くなる。テンポがでない。
もし文を入れるなら「あるいています」です。
誰があるいているかは、見ればわかるのですから。

では「いっぽんばしわたる」という絵本の場合を見てみましょう。
どのページも「ぴょんぴょんわたる」とか「ならんでわたる」「わざわざわたる」というふうに文は一行だけ。
しかも主語はありません。
でも「うさぎ」や「ひよこ」だったりするのはすぐわかります。
描かれているのですから。

いっぽんばしわたる1

そして読み進んでいくと、今度はどうぶつの足、それも一部しか描いていない。
文は「しらずにわたる」。
さぁ、ここで読者は考えます。
この足はだれかな?と。
キリンだと気づき、なーるほど!と合点がいった時の心地よさ。
絵と文がシンクロしているのです。
子どもたちにも大人気のページです。

いっぽんばしわたる2

このように子どもが絵や文の省略部分をおぎなう。そんな絵本がある。
作家のにくい演出と言いうか、あえて作家が準備した省略です。
なんとも心憎い演出です。
省略があるから子どもは受け身ではなく動きだすのです。
子どもたちに自分がおぎなったとは気付かせない。
それこそがプロの技です。

描かれていないもの、書かれていないものを自分で思いえがく。
それが想像力です。
そこに描かれているものだけを受け止めただけでは、想像力は生まれません。
この想像力をいかに羽ばたかせるかが絵本にとっても勝負どころ。だから文字量ではないのです。
ようは文と絵のバランスです。
大切なのは「楽しいか、楽しくないか」。
しかし、この「楽しい」とか「おもしろい」は、残念なことに評価が低い。
軽視されている。「楽しい」とか「おもしろい」はためにならない、つまり勉強のジャマだと思われているからです。

この「楽しい」「おもしろい」は、みなさんが思う以上に大切です。
その理由は「楽しい」は「好奇心」のおおもとだからです。ワクワクするから、もっと知りたいと思う。
こんな気持から知的好奇心は生まれてきます。
子どもたちが成長していく上で、この知的好奇心ほど大きな力になるものはありません。

「文字の量」よりも「楽しさ」をまず考えて絵本選びをする。
そうすれば今までよりずっと絵本の世界が広がることでしょう。
ぜひ、ご家族みなさんで楽しんでください。
「それぞれの一冊」に出会うといいですね。

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